重要文化財 紫裾濃甲冑 むらさきすそごかっちゅう, 明治32年(1899)8月 指定

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日本武尊御鎧と呼ばれていた崇高な鎧鎌倉時代中期のもので、上部から淡く白、黄、うす紫、中濃紫と裾にいくに従って濃くなっていく配色です。 これを裾濃といいます。
明治時代になってから、弘安4年(1281)の元寇の折に、鎌倉宮将軍・惟康親王が奉納したという伝説がつくられました。

※元寇とは、2度に渡るモンゴル帝国の対日本侵攻の呼称のことで蒙古襲来とも呼ばれる

平安貴族好みの緂(ぼかし)で、裾濃の意匠です。
威毛は修理でほとんど新しくなりましたが、黄糸のみ古物です。
また、古い𩊱が取り外されて残り、赤絲威鎧とともに当時の彩色を今も見ることができます。