第44回奉納俳句入選作品

奉納俳句選評

 

特選

一席 聳えたる鳥居をくぐり初詣   宮腰 秀子
御嶽神社の本殿まで「鳥居」はいくつあるのであろうか。立派な大「鳥居」もある。実景に即して「初詣」の季題とみごとに合致した。

二席  むささびの千年欅に顔を出す   遠藤 タカ子
「千年欅」と呼ばれる古木は、御嶽神社のシンボルの一つであろう。「むささび」やりすの住み処でもある。俳句では冬の季題であり、日暮れころになると巣穴から「顔を出す」こともある。

三席  鶯の絶えずどこかに御師の里   辰巳 行雄
神社や講宿の近くでは春から夏にかけて「鶯」がよく鳴く。山中に餌となる昆虫などが豊富にあるからであろう。「鶯」は駒鳥・大瑠璃とともに日本三銘鳥の王者である。

四席  頂きの岩に根を張り白やしほ   津布久 信雄
「白やしほ」は白八汐つつじのこと。たしか奥社の「岩に根を張り」晩春にはみごとな白花が咲く。白花はことのほかきよらかな趣があるといっていい。

五席  むささびの棲むてふ欅風花す     千家 妙子
「花風」は冬の青空にちらつき「むささび」の「棲む」地上の千年「欅」の回りにもちらちらと舞う。余分な語がなく要点を印象鮮明に表現して成功した。

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