山の神霊を祀る修験の聖地、あるいは武蔵の国魂の天降る山として、
関東平野の農業を守る神山として、また日本武尊を祀る武神の山として、
古式ゆかしい祭礼が、一年を通して行われています。
祭事ごとに、山の楽人たちが奏でる雅楽の優雅な調べが、多摩の山々の緑深い森の中へ流れます。
ある時は厳かに、ある時は華やかに、美しい四季の自然の中で行われている主な祭礼・行事をご紹介します。
古式ゆかしい神山の祭り
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元旦祭
新年を寿ぎ、一年の家内安泰・家族の健康、事業・商売の繁栄などを祈る祭りです。
神社境内から日の出は素晴らしく、毎年、大晦日から多くの参詣者で賑わいます。神々しく輝く太陽の光に包まれて、一年の健康と幸福を祈ります。
御祭神の「櫛麻智命(くしまちのみこと)」は、知恵と占いの神様です。今年の運勢を知ろうと、おみくじを求めて毎年行列ができます。
新年のご祈祷は随時、神符授与所にて受け付けています。
神符授与所では、御神札・御守り・絵馬などを頒布しております。
諸災・厄除で名高い「おいぬ様」で知られる武蔵御嶽神社で、晴れ晴れと新しい一年を始めましょう。1月1日 午前8時から
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節分祭
豆を撒いて邪気を祓い、今年一年の無病息災を祈ります。
関東を一望する社殿から、関東一円の邪気を祓い、多くの方々の息災も祈りましょう。
境内では、ふるまい酒・甘酒をご用意しております。
煎った大豆を一家の主人が撒き、家族は自分の年齢(数え年)の数だけ豆を食べると、その一年は風邪もひかず健康に過ごせるといわれています。神符授与所にて福豆(1袋300円)を頒布しております。
裃(かみしも)に着替え、昇殿参拝ののち、社殿正面での豆撒きには、年男・年女・厄年の方をはじめ誰でもご参列いただけます。
参加料:10,000円(昇殿参拝・祈祷札・供物・授与品・軽食)2月節分日 11時・12時・13時
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春季・秋季大祭
古式にのっとった儀式が、三管・三鼓の雅楽の演奏の中で厳かに斎行されます。
神楽舞「浦安の舞」が本装束で奉仕されます。
春は一年の豊作やご守護を祈り、秋は豊かな実りに感謝する祭礼です。
どなたでもご参列いただけます。10分前までに神符授与所へお申し出下さい。
昇殿料:一人1,000円春季:3月8日 11時〜 / 秋季:11月8日 11時〜
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奉納俳句
武蔵御嶽神社では、御岳山に登られた皆さまの俳句をご奉納いただいています。
毎年1月15日を締め切りとし、優れた作品を3月中旬に発表、3月下旬に授賞式を執り行っています。
選者は 蟇目良雨先生 です。
随時受け付けていますので、五七五の十七文字に思いを詠み、ご奉納下さい。受賞作品は3月発行の「武州みたけ」に掲載します。
また、過去の受賞作は「奉納俳句」のページでもご覧いただけます。3月中旬発表・3月下旬受賞式 / ご奉納締め切り1月15日
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奉納剣道
4月、桜が咲き誇る中、奉納剣道が神社大鳥居前広場にて、毎年たくさんのチームが参加して盛大に執り行われます。中里介山作『大菩薩峠』ゆかりの奉納剣道大会です。
『大菩薩峠』は、武蔵御嶽神社前で行われた机竜之介と宇津木文之丞の剣道試合の壮大な場面で始まります。小説のヒントとなった開平三知流奉納額は、神社収蔵庫に保管されています。近年「再興碑」が「介山碑」の隣に建てられました。
表彰結果については「奉納剣道」のページでお知らせしています。毎年 4月29日
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日の出祭
風薫る5月、陽の祭り、日の出祭が行われます。山伏達の入峰の儀式がその発祥とされます。
武蔵御嶽神社で最も格式の高い厳粛な祭りです。幽玄な夕闇の中の神幸渡御。翌日は御神宝の武具も奉持されて、神輿も煌びやかに、鎧武者も雄々しく神輿を警護し、神官・白丁をはじめとする参列者・氏子・行楽客の大行列が参道を進みます。ご参列されますと、大神様のお力をいただき、皆様の一年の無病息災・家内安全がお守りされます。宿泊の方々は、宵宮にもご参列いただけます。
詳しくは「日の出祭」のページをご覧下さい。宵宮:毎年5月7日 20時〜 / 御神幸:8日 10時~
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太々神楽
昭和32年(1927)4月に東京都無形民俗文化財に指定され、31戸の神職の世襲によって伝承されています。神楽は最も正式な参拝方法とされ、神様の御神慮をお慰めするとともに、併せて参拝者も共に楽しむという本質を持っているのです。江戸神楽の系統として、江戸文化・芸能を今に伝える貴重な文化財でもあります。
詳しくは「太々神楽(だいだいかぐら)」のページをご覧下さい。一般公開:6月~11月 第4日曜日/6月第3日曜日/10月体育の日
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夏越しの大祓
境内に、人が通れるほど大きな茅(ちがや)で作られた輪を設置します。
「大祓式(おおはらいしき)」は、私達が生活する中で知らず知らずのうちに犯したであろう罪や過ち、穢れ(けがれ)を祓い清めるための儀式で、年を2期に分けて6月と12月の晦日に行います。6月を「夏越しの大祓」「水無月の大祓」、12月を「年越しの大祓」ともいいます。
茅輪をくぐるときに「みな月の夏越しの祓いする人は ちとせの命 のぶというなり」いう古歌を唱えながら左まわり、右まわり、左まわりと、八の字を書くように三度くぐるという故実もあり、ただ身を祓い清めるだけでなく、無病息災が約束されると考えられていました。毎年 6月30日 午後5時〜
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流鏑馬神事
流鏑馬(やぶさめ)といえば、馳せる馬から矢を射る勇壮な鎌倉武士を思わせますが、武蔵御嶽神社の流鏑馬神事は儀式としての意味合いが強く、ここで持ち帰る木片に焼き魚をのせて食べると、一年間無病息災が約束されると考えられています。
現在は、9月29日の「誰そ彼(たそがれ)どき」、夕闇を待って行います。
秋の流鏑馬は多数ありますが、夕闇の中で行うのは珍しいようです。
詳しくは、「流鏑馬神事」のページをご覧下さい。毎年 9月29日 夕方